スイーツ女子、神経難病を看る

依子 20代♀ 正看護師

お茶の種類

入職して一年目の4月5月あたりってマジでお荷物なのね。注射も採血も、それ以前に患者さんを車椅子に移すとかお風呂に入れるとか、ほんとそういうゼロのレベルから全部先輩に見てもらわんとできないから。教わってる間その先輩の時間もらってるあたりでむしろ職場としてはマイナスだし。毎日それが申し訳なくて、そんな中で教わったことを1回で覚えきれなかったりしてな💩怒られるの怖いしへこむし、できない自分が情けなくてプライドとか塵みたいになるの。「どうして間違えたの?前も言ったよね?」「すみません😨」「イヤすみませんやなくてさ。なんでって聞いてるのよ」当然すぎるwwこれ何回言われたか……。メッチャ怖いお局おばさんに怒鳴られたりしたな。仕事が遅い💢って、入ったばっかりやねんから当たり前やん!!って悔しかった。そんなの言い訳にならんから黙ってたけど、必死に我慢して帰りトイレで泣いたもんな。可愛いぞわたし。

 

寝たきりの患者さんばっかりなのに、新人の私は移乗も下手くそで叱られ、着替えのお手伝いもモタモタ要領悪くて怒られ、血糖測ろうにも先輩の見守りが必要だから声をかけたら「いま忙しいのわからない?💢」とキレられ、、入って1ヵ月だから学生に毛の生えた程度のただのお荷物でしかなかった。その日は手も足も自力じゃ動かせない、声も出なくて口パクでしかコミュニケーションとれない患者さんの担当をした日だった。新人だから呼吸器さわれない。先輩に頼むしかない。オムツのあて方が下手くそで先輩に怒られる。聞かれた観察ポイントを全部言えず怒られる。新人中の新人である私がその時点で唯一ひとりでできたのは、飲み物をあげることだけ。自分で飲めないから、患者さんの冷蔵庫から出して口元までストローを持っていく。

 

薬を飲む時はお水、お風呂上りは麦茶、タンを取ったあとは緑茶、リハビリのあとはほうじ茶、とかその人に好みがあるのをなんとなく覚えてた。口パクで「おちゃ」としか言われなかったけど、記憶を頼りにそのようにした。飲んだあと、何かを一生懸命にぱくぱく言ってた。新人で担当患者さんも少なくて、時間があったし根気よく何十分もかけて読み取った。あかさたな、な行?違う?あな……あなた、あっ私のこと?あってる??とか言いながら。笑

 

「あなたは、言わなくてもちゃんとわかってくれてるよね。ありがとう。」

 

私にもできることがあるんだ、これもちゃんと看護だったんだって。今でも覚えてます。