スイーツ女子、神経難病を看る

依子 20代♀ 正看護師

おじいちゃん

数年前に亡くなったおじいちゃん。心不全で入院してだんだん弱って、歳も歳だったし80代で天国に行きました。

 

入院中めっちゃせん妄だったぽいんよね。夜中に叫んで暴れて、ずっとおばあちゃんを呼んでたみたい。オカンがお見舞い行って看護師さんに「周りにご迷惑かけてませんか?」ってきいたら「大丈夫ですよ」って言われたねんて。お見舞いは昼間だからじいちゃんも普段通りでわからんかったって。そしたら、少ししてから同室の他の患者さんに「あんたんとこのお父さん精神病ちゃうか。夜中おかしくてこっちは眠られへんわ」って文句言われたと。

「悔しくて悔しくて、涙が出た」ってオカン家で泣いてたんです。だから心配して看護師さんに聞いたのに。教えてくれなかった、知ってたら周りの人たちに謝ってどうにかしようと思えたのに……自分の父にあんな言われ方して悲しかった……と言ってました。なんかもうひどすぎ。悲劇。その時高校生だった私は「ひどい!病院もその患者さんも最低!」って思ってたけど、うーーーーん。。。

 

結局夜中は沈静かけられ寝かされて、昼におばあちゃんが面会いってもずっと眠ったまんまだったと。お薬効きすぎてたんでしょうね。「家族の許可もなく知らない薬を使ってこんな状態にして!治すために入院したのに!」って抗議したって言ってた。それも高校生だった私は「そんなことがあっていいの!?💢」と驚いてたけど、これもまたうーーーーーん。。。って感じ。

 

田舎の総合病院でかなりローカルルールでやってた印象はあったけど、どこもそんなにかけ離れてないと思うんよな〜。うちの病棟はせん妄予防ケアをわりと早期から始めてる。それでもせん妄にはなる。その場合はだいたい対策が決まってて、わりとスムーズに部屋を移して特別室で対応できる。でもそれは、人手と場所と時間の余裕があるから。倫理的にも、教科書的にも正しいことをそのまま実践できるのは、贅沢な環境が整っているからです。

 

おばあちゃんにとってはたった1人の夫、オカンにとっては1人だけの父親だけど、病院にいればたくさんの患者さんのなかの1人。その人だけのために他の患者さんが不利益を被ることはあってはならないことだから。じゃあ真夜中1時2時に奥さんに電話して、これからこのお薬使います!なんて毎回伝えるんか?っていう。眠剤は連絡ほしい。じゃあ胃薬は?便秘の薬は?擦りむいた傷に貼る絆創膏については???どこからどこまで????っていう話になってくるもん。家族と医療者は一緒に働いてるわけじゃないねんから、「考えればわかる」「常識でわかる」ってゆーのは通用しないと思うんです。

 

なんていうか、やり方はもっとあっただろうけど、誰が絶対悪いってこともない。でも大切な人が亡くなった思い出に、悔しかったりかなしい記憶がいつまでも残ってるのはつらいものだし。そういうの、ちょっとでも関わっていい方向に携わりたいなって思いました。看護師を目指したきっかけです。👼